アキ~羞恥の身体検査10~
「失礼しますが、今回の新しい商品の身体検査をお願いします。」インターフォン越しに女性が話している。
程なくして扉が開き、そこには年老いた白衣を着た老人が机のに向かって座っていた。
部屋は病院の診察室のようになっていた。
老人が座っている机には書類類がつまれ、机の上にはレントゲン写真が貼られている。
老人の前には丸い椅子がおいてある。
奥には2つの扉が閉ざされている。
「そこに座りなさい」
女性に促され、アキは老人の向かいの椅子に座った。
「わしは老とよばれている。よろしくの。
アキさんっというみたいじゃな、ふむふむ歳は26歳か昨日はよく寝れたかの?」
老人は手元の書類を見ながら、優しい口調でアキの体調や病歴などを質問していった。
「では検査をしてきて、またここに戻ってきておきれ」
そういうと身長、体重、心電図、視力、聴力などの身体測定の結果を書く書類をアキにわたした。
アキは拍子抜けしていた。もっと恐ろしい検査をされると思っていたからだ。
老人が手元のボタンを押すと奥の1つの扉が開いた。
「そこの奥にいったら看護婦たちが検査してくれるからの」
そういうと老人は手元で書き物をしながら、アキに行くように促した。
扉の中は女性ばかりの看護婦が数人おり、白い壁紙にいろいろな機器がおてあった。
視力検査用機器、聴力検査用機器、レントゲン室、心電図などの機器がところ狭しと置いてあった。
その後は本当に普通の身体測定だった。もろもろの検査をうけまた老人の前の席に座らされた。
「検査は良好じゃな、腹部に打撲があるが内臓に裂傷はないし、しばらくしたらなおるじゃろう」
そういうとおもむろに老人は立ち上がった。
「さてと、最後の検査をするとするかの」
そう、これだけの検査で終わるはずがなかったのだ。
category - 小説アキ
コメントの投稿
コメント:一覧
この記事にトラックバック:
トラックバック:一覧