アキ~プロローグ3~
なにを言っているんですか?それよりも彼は、彼はどこなんですか?」女性が何を言っているかわからないし、それよりも彼のことが心配でならない。
「彼は大丈夫よ、借金も全部あなた名義だし、外の世界で楽しく暮らしているんじゃないかしら?
それよりどっちにするの?10年?内臓?」
「どういうことですか?彼は…彼は…」
もう彼のことしか考えられなくなっていた。
「あなた騙されたのよ…あなた自分がいくらの借金あるか知ってる?もう返せないくらいよ」
その借金という言葉で我に返った。そうだ借金取りから逃げようとしていたのだ。
「えっと、えっと3000万なら必ずどれだけ時間かけてでも返しますから許し…」
「8000万よ!!何を馬鹿なこと言ってるの」
初めて声を荒げた女性に萎縮してしまった。
「そんなことありません、だって私は」
「自己破産してるはね、21歳で一回その前にした借金が3000万、そしてその後にした借金が3000万そしてその積もりに積もった利息で2000万ってとこかしら?
知ってる?自己破産ってした後に借金しちゃうと無効になってしまうのよ」
女性は矢継ぎ早に話している。
「8000万をどうやって返すの?年利10%としても800万よ、1年間にあなたが800万も稼げるとは思えないは」
そして彼女は最後の宣告を私に告げた。
「やくざにあなたの内臓全部売り飛ばされるか、私の元で10年間働くか、あなたに残された選択肢はそれしかないのよ」
category - 小説アキ
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