アキ~アキのカルテ3~
「あなたのこの後は4つの道しかないは、1つ目
この後行われるオークションで契約してくれるお客様がいたら、そのお客様にだけ契約期間だけサービスを行う。
2つ目
オークションで契約がとれなかった場合、フリーのお客様に毎日サービスを行う。
3つ目
我が社との契約を反故にしてやくざに内臓をとられる。
4つ目
お客様があなたを買い取る」
神妙な面持ちで女性はアキに言った。
「3つ目と4つ目はあなたにも選択権があるは、ここでの仕事がとても耐えれないと思ったらいつでもやくざに連絡します。
そして買い取られれば我が社の商品ではなくなります。
我が社がお客様に禁じているようなことも、また契約期間がすぎてもお客様のものになります。
だからあなたが、このお客様になら一生所持されていてもいいっと思ったときだけ、買い取りは行われます。」
そしてこう付け足した。
「4つ目の買い取りは少ない例だけど、あなたの一生にかかわることだから、あなたに選択権があるの。
前例には、運命の人とやらに出会えて幸せに暮らしてる商品いるは。
またここで禁止されてる、一生治らないような施術をされて暮らしてる商品もいるの。
買い取りを申し込まれても、慎重にうけるか、うけないか決めるのよ」
女性の話が終わるころには、手が止まっていたスープはすっかり冷めてしまっていた。
止まったスプーンを持つ手がカタカタと震えている。
そしてとどめをさすように、女性は言葉を続けた。
「あなたのもつ選択権はその二つしかありません。日常のことも含めて、私が管理します。
そう、その冷めたスープも残すことなんてできないのよ」
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