アキ~アキのエステ2~
リンは面をくらったような顔でアキを見ていた。男にだまされて借金を作った馬鹿な女っと思っていたアキは思いのほかある種の才能があるのではないだろうか?
人間の本質を見れる人間なのではないのだろうか?
っと思いながらおいしそうに昼食をとるアキを柔らかな笑顔でぽつりと呟いた。
「そんなこと言われたの初めてだは…」
リンはこの仕事を始めて何年にもなるが、優しいなどといわれたことなどなかった。
この子はおもしろいかもしれないっとリンは思い出していた。
この子なら買取手がつくかもしれない。
本人の未来も買取例は今までほとんど行われてきていない。10例もあるだろうか?
それは買取にかかる膨大な費用にもあるが、一生を預けるっというリスクからなかなか了承する商品が少ないっというのもある。
また幸せに暮れしている商品もあれば、手足をもがれて犬のように暮らしている商品もある。
この子なら的確に自分の一番いい相手を見極められるかもしれない。
リンは柔らかな表情から商品を見る厳しい表情に一変していった。
「ほら早く食べ終わって頂戴、あと30分したらエステルームにいくわよ」
食事が終わると朝に顔と歯をきれいにしてもらった部屋に通された。
そこでは朝の女性が機嫌よさそうに鼻歌を歌いながら、なにに使うかわからないような器具を磨いていた。
「スズ!仕事よ」
アキは器具磨きに夢中でこちらに気づかない女性にため息まじりで呼びかけた。
「あぁごめんなさい、つい夢中になってしまって、こんにちはアキさん」
素敵な笑顔で女性はアキを出迎えた。
category - 小説アキ