アキ~アキのトレーニング5~
通されたところにはシットアップベンチがあるが、改造されているところがある。下の背中があたる所にびっしりと刺のようなものがついている。
青い顔をしながらそれを眺めているアキにむかって女性は言い放った。
「さぁ、ここに寝て頂戴。しっかり足をかけるのよ」
躊躇しているアキにまた鞭が飛び、おそるおそるアキはベンチに足をかけるしかなかった。
腹筋を使って上体をキープしていれば被害はないが、腹筋をゆるめ上体をベンチにつければ血をみるのは明らかだった。
「じゃあ始めるはよ、まずはこの体制で3分よ」
タイマーをセットすると、アキを刺が刺さるか刺さらないかの位置まで上体を下げさせて女性は宣告した。
アキの上には女性が鞭をかざしている。これ以上上体を起こせば鞭が飛ぶっと言わんばかりだ。
1分もすれば腹筋がぷるぷると悲鳴をあげてくる。
息を荒くし、歯を食いしばり、目を固く閉じて時間がたつのをひたすら耐えるしかなかった。
「ではウォームアップは終了よ、これから腹筋30回よ」
やっと終わったを思っていた矢先、女性は追い打ちをかけるようにそう告げた。
「ほらさっさとしなさい!日が暮れてしまうはよ」
鞭の先で喉元を小突かれ、ゆるゆるっと上体を倒していく。それにあわせて女性の鞭も下がってくる。
背中の刺が恐ろしく、急になどさげられない。そして背中に刺の感触た。
「ひぃ」
アキは小さく声をもらし。そこで上体をとめた。
目配せを女性に送ると、早くおきろとばかり顎でサインを送ってくる。
ゆるゆるっと上体を起こしていく。目の前には相も変わらず鞭があり、起きるスピードを制限されている。
この腹筋は今までアキがしてきたものとは比べ物にならないほどきつかった。
ゆっくり下ろし、ゆっくりあげる。そして背中はつけない。
次第に額には汗がにじみ、腹筋は知らずに痙攣するように悲鳴をあげている。
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