アキ~アキのエステ8~
スズは楽しくてしかたなかった。目の前のモニター画面いっぱいに水面下の映像が流れている。
モニター内にアキが写りだした。必死に息を止め、先ほどのように溺れかけるのを防ごうとしている。
「そんなことしても無駄よ…ちゃんとお水飲まないと出してあげないもの…」
楽しそうに歌うように独り言をつぶやきながらモニターに食い入っている。
前進も後進もパネルひとつで車椅子は動かせるのだ。
スズの操作ひとつで今やアキの命は握られている。
やがてモニターのアキは息が続かなくなり、大量の空気を吐き出しながら唯一動く首をもがかせ出した。
水中のアキはさぞやパニックだろう、先ほどよりも長く水に沈められているのだから。
やっとパネルを操作しスズは車椅子を後進させだした。
(あの子を生かすも殺すも私の次第)
この状況がスズの加虐心を大変満足させる。
スキップするようにスズ専用にモニタールームからアキのいるエステルームへ移動する。
「いやぁぁお願いもうやめてぇぇ、苦しいのぉぉ」
スズがアキの近づき、車椅子をサウナルームへ向かわせるとアキは懇願してくる。
くしゃくしゃの顔で、鼻水を垂らし先ほど吐き出した水とよだれがあわ立って口元についている。
(あぁなんて無様でかわいらしいのかしら…でもこれだけ叫べるならあと2セットは楽しめるはね)
そんあ恐ろしいことを考えているとは思わせないような柔らかな笑顔でアキに対面する。
アキの懇願など耳に入らないようにサウナルームへ歩を進める。
「そんなわがまま言わないで頂戴、これを繰り返すことでアキさんの新陳代謝が高まるのよ。」
スズは子供を嗜めるような口調でいってみせる。うちに秘めた快感など微塵も見せないように。
「いやぁぁぁおねぇがいぃぃぃ、あぁぁっぁぁあ」
懇願はすでに悲鳴のようになっていたが、そんな悲鳴もスズには恍惚にしか繋がらなかった。
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