アキ~アキのトレーニング6~
腹筋が壊れるのではないかっと思うほど痛い。汗は噴き出し、息は絶え絶えになっている。
「ほらあと10回よ、がんばってほら21」
女性の声が響く。鞭はかわらずゆっくりと胸元に添えられている。
早く上がり過ぎると鞭があたり、アキを恐怖させていた。
もしいま鞭が振り下ろされればひとたまりのなく背中を下ろしてしまいそうだ。
刺が刺さる自分の姿を想像し、背中に冷たいものが走る。
結局30回終わるまで、鞭は振り下ろされることはなかった。
その後の背筋でさらなる恐怖がまっていた。
前と後ろの向きを入れ替えられたのだ。
目の前にせまるとがった刺がアキの顔の目の前にある。
背筋をつかって体をそらさなければ、目にも刺さりそうな刺にアキは涙目になっていた。
「背筋はその体制で10分よ、腹筋より楽でしょ?」
アキにとって、楽とかそういう問題ではないのだ。
目の前の刺の恐怖に冷たい汗が滴りおちる。
額から落ちる汗が刺を光らせ、さらに鋭利に映しだされる。
目を閉じると次第に上体が落ちていくような感覚にされ、瞬きするのすら恐ろしい。
目を見開きながら歯を食いしばり、アキは10分間の恐怖に耐えるしかなかった。
10分のタイマーがなるころにはアキはびっしょりと汗をかいていた。
タイマーがなると女性がアキの上体を支えベンチから下ろした。
「さてと、これで今日のトレーニングは柔軟して終わりましょう」
category - 小説アキ